本稿では、2020年のコロナ禍によって大きく影響を受けることになった日本国内における外国人居住の動向に鑑みて、その直前の2019年末現在の、ムスリム人口の国内居住の実態に着目する。因みに、2020年6月末の在留外国人統計を参照すると、在留外国人数は、約289万であり、前年の2019年末現在には、約293万であったから、約4万人の減少となっている。このような変化が、日本のムスリム人口の動向にも現れていることはほぼ間違いないが、今回の報告では、そうした影響がおよぶ直前の段階でのムスリム人口の推計を行ったことになる。
ここでは、2019年に発表した「世界と日本のムスリム人口2018年」3に掲載したムスリム人口推計を更新して、2019年/2020年の世界のムスリム人口と日本のムスリム人口に関する推計データを参考資料として提示することを目的とする。ただし、この報告書では、日本のムスリム人口に関するデータをより詳しく取り上げる事として、都道府県別、年齢別、在留資格別などのより詳細なデータを掲示する事とした。各項目の詳細は、本文を参照していただきたい。