世界と日本のムスリム人口 2018年(論文)

日本社会とイスラム社会との本格的な交流は、幕末から明治初期の頃にはじまった。最初の日本人・イスラム教徒(ムスリム)が誕生(入信)したのは、19世紀末のことであり、この頃にはインド系ムスリム商人が、神戸などに居住していた。それから一世紀以上が経過し,2010年末には日本に居住しているムスリム人口は、10万を超える規模にまで増加した1。その後も増加が続き、筆者の推計によれば、2016年末時点で約17万に達した。人口の増加に呼応するように、国内のイスラム礼拝施設(モスク)も増加している。

1980年代はじめには4箇所に過ぎなかったが、現在、モスクの数は100を越えている。一方、世界のムスリム人口は、1900年には約2億、世界人口の12%であったが、20世紀後半からは世界人口の増加率を超える勢いで増加し、2013年現在、16億(世界人口の22%)に達している。

本稿では、国の内外におけるイスラムへの関心の高まりをうけて、先に発表した「世界と日本のムスリム人口2011年」3に掲載したムスリム人口推計を更新して、2017年の世界のムスリム人口と2018年における日本のムスリム人口に関する推計データを参考資料として提示することを目的とする。