戦後日本のムスリム・コミュニティの発展 ー今後の東京ジャーミイの役割 (ドラフト 2020年9月1日脱稿)

 東京ジャーミイは、国内105箇所を超えるイスラム礼拝所(モスク=マスジド)の中で唯一のトルコ・オスマン朝風のイスラム建築であり、井の頭通りに鉛筆型のミナレットと鉛板で葺かれたドームが聳える雄姿は、代々木上原の街の日常的な光景のひとつとなっている。東京ジャーミイのこれからを語る前に、戦後における日本のムスリム・コミュニティの発展と課題を、ムスリム人口の増加や礼拝所の開設状況をたどった上で述べておこう。